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バクテリアは一旦最大数まで増加しますが、異常繁殖には至りません。 また、生態系が狂うといった心配もありません。
そもそも、廃棄物の分解処理は数十億年前から微生物が行ってきましたが、産業革命以降、人類による生産活動により廃棄物の大量排出および、以前は存在しなかった人工生産物の排出という二つの問題が出てきました。その廃棄物を短期間で処理することにより、生態系への影響を最小限にくい止めるのが、バイオレメディエーション目的です。
例えば、タンカー事故により、原油が流出し、砂浜を汚染した場合、原油を分解するバクテリアを撒くことにより短期間でもとの砂浜に戻すことができます。 この点、琵琶湖におけるブラックバスをはじめとする、ある特定種の生物が大量に増殖することによる生態系の破壊を危惧する方がいるかもしれません。
それについては、以下の通りです。
第一に、まず分解の途中経過において一旦はそのバクテリアは最大数まで増加します。しかし、そのバクテリアの食べ物、つまり分解の対象である原油の減少とともに最大数のバクテリアを維持することが不可能となります。そして、分解とともにバクテリアも減少し、原状に戻る段階ではほとんどいなくなります。
第二に、バクテリアの場合、動物のように食べ物を求めて他の場所にまで移動し、そこでも大量に繁殖するという心配はまずありません。さらに、バクテリアの食べ物に対する嗜好性や、食べ物の有限性を考えると、その永遠なる異常繁殖はありえません。
事実、この地球上に存在するほとんどのバクテリアは飢餓状態にあります。 |